PGF生命はプルデンシャルグループ
アメリカ発祥のプルデンシャルグループの、日本での保険持ち株会社が「プルデンシャル・ホールディングス・オブ・ジャパン」
その子会社がプルデンシャル生命とジブラルタ生命です。PGF生命はジブラルタ生命の完全子会社なので、プルデンシャル・ホールディングス・オブ・ジャパンの孫会社になります。
PGF生命のランキング
●ソルベンシー・マージン比率:823.9%
●経常収益:約3,996億円
●保険料等収入:約3,911億円
●経常利益:約79億円
●当期純利益:約54億円
●純利益率:約1.37%
PGF生命のディスクロージャー資料より引用
得点:82.7点
総合第29位/40社
大手の子会社なので静観しましょう
前回のランキングより4ランクも下がったのは痛いですが、原因としてはここ最近落ち続けている売上とそれに伴う利益の減少です。
前期を100%とすると今期は経常収益が約87%で保険料等収入は約86%になります。
経常収益は前期の約72%になり、当期純利益は約74%と利益下落も痛いです。
会社力みたいな物が弱っているような感じですが、PGF生命はジブラルタ生命の子会社なので、そのうち盛り返すのではないでしょうか。
経常収益:保険料等収入と、その他の売上全部。保険会社全体の売上
保険料等収入:保険会社の保険料だけの売上高
経常利益:当期純利益の前に表示される、事業の善し悪しを表すとも言える利益
利益率:経常利益を経常収益で割った数値
格付けや苦情率など
全ての保険会社で基準が統一されていない項目なども書いておきます。
●格付け
格付投資情報センター:AA-
スタンダード&プアーズ:A+
●苦情率
2018年度苦情件数:6,565件
年度末保有契約数:約553,000件
保有契約1件当たりの苦情率:約1.19%
PGF生命の来歴
PGF生命についてもう少し書きましょう。
PGF生命と書いていますが、正式な名称は「プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社」英語表記で「The Prudential Gibraltar Financial Life Insurance Co., Ltd.」です。
元々、更生計画の申し立てをしていた大和生命保険株式会社を、プルデンシャル ファイナンシャル ジャパン(←「ジブラルタ」が入っていません)という名前に変更後、ジブラルタ生命が完全子会社化することで、現社名(カタカナの長い名前)に変更。
更生手続きが終結したので営業を再開し、その後平成二十五年に長い社名の略称で「PGF生命」の使用を始めました。
ちなみに、大和生命保険株式会社は明治四十四年に設立された「日本徴兵保険株式会社」です。この名称をこのページの冒頭で書いて悪口になったら嫌なので、ここまで引っ張ってみました。
戦後昭和二十年に大和生命株式会社に改称し、昭和22年に大和生命「相互会社」に組織変更するのですが、いろいろな事情で平成14年に大和生命「保険」株式会社に商号変更しています。
そして平成20年に更生手続き開始を申し立て、その後プルデンシャルグループ入りとなるのです。
永田町本社の住所を見たらが東京都千代田区永田町と書いてあります。国会議事堂の近所ですよ!
一番町本社は東京都千代田区一番町で、皇居のすぐ西側で英国大使館のすぐ近所ですよ。凄く良い立地ですよね。
よく考えたら本社が二つあるんですね。
終身保険PG
三井住友銀行の窓口で販売している円貨建ての終身保険です。終身保険PGとその介護プランがあります。
同じような商品が三菱東京UFJ銀行から「終身保険Neo」が、みずほ銀行から「憩いの終身」として販売されています。他にも終身保険PGとして地方銀行や信託銀行も販売窓口になっています。
介護プラン
終身保険PGは普通の終身保険だと思いますので、「終身保険PG介護プラン」について解説します。
介護プランを選択すると、普通の終身保険のように死亡または高度障害状態でも保険金が出ますが
a.公的介護保険制度の「要介護2以上の状態」に該当・認定
b.被保険者(保険の保障を受けられる人、保険を掛けられた人)が65歳未満の場合、PGF生命所定の要介護状態が180日以上継続したとき
このどちらかに該当するとPGF生命から「介護保険金」を受け取る事ができ、それ以後の保険料は免除され、保障は継続します。
後述しますが介護保険金割合が100%の場合、介護保険金受け取り自由に該当すると介護保険金を受け取れますが保険金契約は消滅します。
介護保険金割合
例えば普通の終身保険は死亡・高度障害保険金は同額で、この保険金を一千万円で契約すれば被保険者が死亡したときまたは高度障害状態になったときに一千万円が保険会社から支払われます。
すると、契約の一千万円の支払いを果たした保険契約は消滅します。
終身保険PG(介護プラン)は、契約時に死亡・高度障害保険金に対する「介護保険金割合」を決定します。介護保険金割合は10%・30%・50%・100%から選択できます。
二つの保険金
例えば死亡・高度障害保険金一千万円に対して介護保険金割合を10%とした場合、保険期間中に上記aまたはbの介護状態に該当すると、介護保険金100万円がPGF生命から支払われて、残り900万円の死亡・高度障害保険金の保障が生涯継続します。
上記記aまたはbの介護状態に該当「しないで」生涯を終えたとすると、死亡・高度障害保険金一千万円の保障になります。
つまり、死亡・高度障害保険金は介護状態になったときだけ目減りすることになります。
介護保険金のみの保障
死亡・高度障害保険金に対して介護保険金割合100%で契約すると、介護状態に該当で保険金全額を払い出すことになるので死亡・高度障害保険金が残りません。よって保険契約は消滅します。
もちろん、介護保険金割合100%で契約しても介護状態にならなければ死亡・高度障害保険金の保障が一生涯続きます。
解約返戻金
終身保険ですので、お金が残る保険です。解約すれば解約返戻金が望めるのですが、終身保険PGは低解約返戻金型の終身保険よりも戻りが悪そうです。
最近の円貨のマイナス金利や低金利の影響で生命保険の予定利率が凄く低くなっていまして、終身保険PGのような普通の終身保険は、保険料払込期間が終わってしばらくしないと、払い込んだ保険料総額よりも多くの解約返戻金が得られる事は無いようです。
低解約返戻金型終身は、保険料払込期間中に解約すると、通常の終身保険よりも戻りがかなり少なくなるのが欠点ですが、保険料を遅滞なく完全に払い込んだ後は支払い保険料総額よりも大きい解約返戻金が望める終身保険です。
実質通常の終身保険よりも安い保険料総額で、通常の終身保険と同様の解約返戻金が望めるという感じです。
介護保険金と解約返戻金
注意しておきたいのが、介護保険金が支払われると解約返戻金は介護保険金割合に応じて目減りします。
介護保険金の支払いによって死亡・高度障害保険金が減るということは、その減少に応じた解約返戻金に減額されるとも言い換えられます。
極端な話、介護保険金割合を100%にすれば介護保険の支払いで死亡・高度障害保険金が消滅するのですから、保険の消滅とと同時に解約返戻金が無くなります。
総評
死亡や高度障害に備えるのは当たり前だけど、一つの保険で介護にも備えたい方には良いかもしれません。
また、低解約返戻金型の終身保険では保険料払込期間中に解約すると結構痛い目に遭いますが、終身保険PGは普通の終身保険なので、そこまで痛い目には遭いにくいと思われます。
ただ、死亡も介護もというのであれば、通販・単品の解約返戻金型の終身保険商品と、生命保険会社が販売している介護保険を同時に加入した方が良いという考えもあると思います。
ライバル
東京海上日動あんしん生命に、要介護2以上で保険金支払い対象になる終身保険があります。
アクサダイレクトでは無いアクサ生命は独自基準の介護認定の介護保険があり、ソニー生命はかなり前から保険金少額複数回受け取りの、民間生命保険会社商品としてのの介護保険を販売しています。
オリッスク生命の低解約返戻金型の終身保険は認知度が高めだと思います。